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作品ができるまで
良材を求めて
美しい作品をつくるための材料を手に入れることが大変な時代になりました。
昔は銘木を扱う店が各地にありましたが、
和風住宅を建てる人が少なくなったことや外国産材を使うようになり、
身近にあった製材屋さんや銘木店はほとんど無くなっています。
そのようなことで、主にネットで木材を手に入れることになりますが、
実物を見ずに写真だけで購入することは賭けに近いものがあります。
購入した板にカンナをかけてみると、シミや傷が多く使えなかったり、
反りが強く箱組ができないものも多くあります。
作品にはこうやって集めた貴重な板材や過去に手に入れた美しい板材を厳選して使用しています。
荒製材の板にカンナをかけ、美しい木目やすばらしい杢が現れた時は感動です。
そして、この板を使ってどんな作品にするか、
どうするのが木が喜ぶか(買われた人が喜んで長く使ってもらえるのか)を考えるわくわく感は格別です。
全体が調和した美しい作品に仕上がった時、
製作時の苦労を思うと自分の子供のようで、手放すのが惜しい気持ちになるものです。
材料の木取り
荒製材された板材をカンナ盤で丁寧に削ります。
板の反りや傷を見極め、表われた木目が一番美しく見えるよう木取りを行います。
引出し枠材の製作と塗装
下塗りと研磨を3回繰り返し、さらに中塗り、仕上げ塗りを5回施し、乾燥後組み上げます。
持ち手部材の加工
なめらかな手触りになるよう、荒削り後、納得の行くまで手鉋で削り、
サンドペーパーで磨きあげます。
その後、下塗り、本塗を繰り返します。